やっちゃいけないフィールドワーク

ホームレス、リストカット、風俗、自慰行為などなど――。気になってはいるけど、 なかなか人には聞けないモヤモヤ…… そんな世の中の「?」を2人の大学生が解き明かす!?

【連載】国境を超えたマッサージ 第3回 マッサージ店員インタビュー 「この仕事は楽」

前回の取材にて、
いわゆるメンズエステには、女性施術者が男性を射精に導くサービスが存在する場合があることが分りました。
全ての店に"抜き"が存在するとは言い切れませんが、
相当の数のアジア諸国身施術者たちが、
日本の地で見ず知らずの男性の身体を触り、性的サービスを行っていることが想像できます。
彼女たちはなぜ日本にやってきて、マッサージ店に勤務することになったのでしょうか。
今回から数度にかけ、マッサージ店に勤務する方々へのインタビューをお送りします。

調査協力者

中国出身 Cさん
現在、京王線沿線のマッサージ店勤務
40代中盤
マッサージ店勤務10年

――日本に来たのはいつですか?
C:約25年前。中国のすごく田舎のほうから仕事のために来て、ビルの清掃員とかレストラン従業員とかやって、10年前からマッサージをやっています。

 

――ちなみに、マッサージに性的サービスは?
C:手をつかったことはします。私の場合は特別料金はとりません。
ただ、それはあくまでもプライベートという位置づけで、公のものではないです。

――なぜマッサージを始めたのですか?
C:マッサージは楽。他の仕事は例えば上司との面倒な関係があったり、休みにくかったりすることがあります。でもマッサージの仕事はバイトのようにできる。いつ休んでもいいし、好きな時に中国に帰ることができるんです。

――仕事が忙しいことはないんですか?
C:ないです。
ホンバンを売りにしているところは忙しいんでしょうけど普通の店は違います。
1日1人しか来ない日だってありますよ。

――ずっとこの店で働いているのですか?
C:いろんなマッサージ店で働いた経験があります。私に限らず、数ヶ月から2,3年同じところで働いて、その後は別のマッサージ店に行く人が多いです。
欠員が出たマッサージ店に、1日限定で入ることもあります。
マッサージ店はたくさんありますけど、実はそのグループラインがあるんです。
そのグループで「人が足りない」「中国に一時帰国する人がいる」など書き込まれると、臨時でその店に行くんです。

――今後、中国に帰る予定は?
たまに帰ることはあっても、今は高校生の娘がいるので、基本は日本で生活していくつもりです。
日本人の元旦那とは別れたので、一人で娘を支えないといけません。


Cさんの場合、
①出稼ぎで20歳前後で日本に来る
②複数の仕事を転々とする
③その過程で結婚・出産を経験
④働きやすいマッサージ店勤務を開始
というプロセスで現在に至っているようです。

まだ1人にしかインタビューをしておらず、
一般化はできませんが、出稼ぎで日本に来るものの、
いわゆる普通の仕事が長続きせず、
最終的に、肉体的も精神的にも楽で、シフトも自由な
マッサージ店に勤めることになる人は多いのかもしれません。

ただ、Cさんに関しては、まだ10代の娘がいる身。
本番行為はしていないため、売春とまでは言えないのでしょうが、
性を使って家族を養っているという考えもできます。
娘さんが、母のしていることに察しがついている可能性もあり、
その点についての葛藤の有無を聞きたかったのですが、そこは僕の実力不足。

Cさんの語り、そしてライフコースが一般的なものなのか、
それとも他の経緯でこの道に入ることになった人もいるのか、
今後の取材で明らかにしていきます。