学生でありながら、株式会社の代表取締役となったRさん
こんにちは。ASUKAです。
皆さんは、「学生起業家」と聞いて、どのようなイメージを持つでしょう?
「格好いい」「尊敬できる」「頭が良さそう」
というポジティブな印象を持つ方もいる一方、
「なんで起業なんてすんの?」
と首をかしげてしまう人も少なくないのではないでしょうか。
実を言うと、ASUKAもその一人。
小学生の時から、「ホリエモン? コイツ、東大中退して会社作ったとかバカじゃね?」とに思ったりしてました。
ということで、今回は、大学3年生にして起業し、代表取締役(つまり社長)となった
Rさん(立教大学4年生)へのインタビューを敢行してきました!
果たして、なぜRさんは起業という、一般人(ASUKAは潤pさんから変態呼ばわりされていますが……)の想像を大きく超えた決断をしたのでしょう。
ちなみに、Rさんは大学もしっかり通っております。
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Rさん(㊚)
立教大学経済学部4年生
起業時期:2015年6月
起業名:株式会社リンクオン
従業員数:3人(Rさん+友人2名)
Rさんの役職:代表取締役
事業内容:飲食店メニューの翻訳代行サービス、中小企業のSNS広報運用代理
※ホームページは作成中とのこと
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【起業のきっかけ】
ASUKA(以下、A):起業をしようと思ったきっかけを教えてください
Rさん(以下、R):直接的なきっかけは、学生起業家スクールに通ったことです。その中で、模擬起業・経営をする機会があったんですけど、僕はスクールで歴代最高の利益を出すことができたんです。講師の方に起業を勧められて、結果的に会社を立ち上げることにしました。後先考えずに動けるタイプなので、不安とかは全然なかったですね。
A:あえて学生のうちに起業をした理由はありますか?
R:周囲にいる起業をした知人に刺激を受けたことが大きいです。それに加えて、学生起業はリスクが低いということもありましたね。社会人になってから会社を立ち上げるとなると、自分や家族の生活を支える必要があるので、失敗が許容されにくいのかなと。
A:起業家スクールに通い始めたのはなぜですか?
R:仕事を通して、自分のアイデアを実現したかったからです。アルバイトや学生団体での活動もやっていたのですが、自分で解決策やサービスを作って問題を解決するためには、起業が一番適切だと思いました。
A:お金持ちになりたいとかではない?
R:そうですね(笑)。自分の会社を大きくしたい気持ちはありますけど、お金が主足る目的ではないです。
A:有名になりたいってことでもない?
R:はい(笑)。ただ、会社のサービスが多くの人に知られればいいとは思ってます。
一口メモby ASUKA:興味深かった点は、Rさんがそこまで多くのお金を起業に求めていなかったところ。ASUKAは「社長=カネの猛者」というイメージしかなかったので(マジです)。
【幼少期と現在のつながり】
A:“自分のアイデアを実現したい”という思いの実現は、ビジネスでなくともできますよね?
R:昔から、ずっと“仕事”を意識してきたからだと思っています。小学生の頃、道徳の時間で先生が『人生で一番幸せなことは?』って皆に問いかけていたんですけど、自分的にその答えは“就きたい仕事に就くこと”だと思ったんです。
A:そう思った理由は?
R:両親の影響が大きいです。父は地方公務員をやっているんですけど、僕が子供の頃からよく『仕事がつまらない』って言っていたんですよね。
一口メモby ASUKA:Rさんは幼少期から「仕事」について考え続けてきたようで、それが現在の「社長」という地位にも繋がっていることがうかがえる語りとなっています。ただ、それにしても起業という選択肢に繋がるのは驚き。
【「意識が高い」ことについて】
A:Rさんはいわゆる“意識高い系”にカテゴライズされる人だと思いますが、“意識高い”が嘲笑されることもあると思います。
R:うーん。“意識高い系”が何かよく分からないですけど、人それぞれ、色んな考えがあるので、自分は気にしていません。
A:自分で“意識高い”っていう自覚はありますか?
R:ないですね。自分自身、“意識高い系”と呼ばれる人たちのコミュニティに身を置いているので、特別なことをしているとは思いません。
A:逆に、全然意識高くないタイプの人たちに対して、「俺たちはお前らとは違うんだ」的な優越感などはありますか?
R:それも別にないですね。自分は立教大の中でも一番チャラいスポーツ系のサークルと少しかかわりを持ったことがあるんですけど、そこでつるんだ人たちも、コミュニケーション能力が高かったり、明るかったり、尊敬できる部分がありました。
ただ、個人的にはそういうコミュニティよりも、将来をしっかり見据えていたり、起業をしたりしている人が集まる場所の方が、楽しく思えます。
一口メモby ASUKA:僕自身、意識高い系に分類され得る人間ということもあって、興味深く聞かせていただきました。Rさんにとって、意識高い系コミュニティは居心地がいい模様。意識高い人と一緒に時間を過ごすことで、更に意識高いマインドが高まっていくのかな?
Rさん(一番右側)ら、学生起業家スクール受講生のメンバーたち
【人と自分を比較してみて】
A:このブログでは「人とは違う自分になりたいから○○をしている」と語る人のインタビューをしてきました。Rさんに、そのような思いはありますか?
R:なくはないと思います。人よりも成長したいっていう思いはありますね。でも、自分にとって成長は目的達成のための手段なので、何よりも大切というわけではないです。
A:「人よりも成長したい」と言っていましたが、その「人」というのは誰を指していますか?
R:いわゆる“意識高い系”の人たちです。
一口メモby ASUKA:変なブログをやっている女子大生、BLを読み漁る腐女子、リストカッターなど、一風変わったことをしている人たちは、世間一般の同世代や同性と比べたうえで、自らがしていることに価値を見出しているようでしたが、Rさんの見据える相手は、自分と同じ土俵上にいる人たちに限られる模様。たった一人へのインタビューなので一般化はできませんが、この点は学生起業家の特性なのかもしれません。
【今後について】
A:Rさんの起業家・ビジネスパーソンとしての今後について教えてください。
R:今の事業をやって手にできるひと月の金額は、普通の大学生がアルバイトで手にできる程度なので、自分の会社一本でやっていくつもりはないです。ある程度大きい会社で働きつつ、兼業で自分のビジネスをやってる人が知り合いにいますけど、自分もそのようになれたらいいと思います。
A:最後に、何かコメントがあればお願いします。
R:「働く」ことは、人生のメイン。その時間が幸せなら人生が豊かになると思います。
だから、これから大学生になる人や、大学に入ったばかりの人は、将来的に仕事をすることを意識して日々を送ってほしいと思ってます。自分が特に勧めるのが、起業での長期インターンです。バイトとかサークルとか、色々な挑戦機会がありますけど、社会のことを知れたり、ビジネススキルが身につくという点では、長期インターンが一番だと思います。
インタビューを終えてby ASUKA
「学生起業家=ガツガツしていて近寄り難い」というイメージを持っていた僕でしたが、Rさんはどちらかというと、柔らかで、おっとりした雰囲気の方でした。
インタビューを分析する限り、Rさんは親御さんや周囲の人との関わりを通して、「仕事」に人一倍関心を持ったリ、企業への想いを強めていったようです。
しかし、Rさんは自らと一定の距離がある人に対し、関心を抱いていないようです。自分と違う考え・生き方をしている人たちについては、「人それぞれ」とコメントしていました。ライバルやロールモデルと位置付ける人物も、自身が属する、いわゆる意識高い系コミュニティ内の人々に限られます。
【Rさんのコメント】
(意識高い系コミュニティの)人よりも成長したいっていう思いはありますね。でも、自分にとって成長は目的達成のための手段なので、何よりも大切というわけではないです。
⇒比較対象は、あくまでも自分と近い位置にいる人々だが、その比較自体にも大きな価値を見出していない
一方、Rさんの「自分は自分」スタイルとは、異なる考え方をしているのが、当ブログでインタビューさせていただいた、アウトサイダーな方々。彼らは皆、自分と他者を比較することで、自らのアイデンティティを獲得しようともがいています。
【これまでインタビューしてきた方々のコメント】
「キラキラしてる女子大生みたいになりたいけど、自分はなれないから、ほかのことに価値を見出そうとしてる(変人女子大生ブロガー)」
「BLを読むことが、ほかの人にはない、自分のアイデンティティに繋がってる(BL読者)」
「俺はお前よりも苦しみを味わったからお前よりも強い人間なんだ。リストカットをすれば、そんな風に、自信を持てると思うんです(リストカッター)」
⇒自分とは距離のある「顔の見えない他者」との比較が、特異な行動に繋がっている
起業経験のある人に対するインタビューは、今回1回しか行っておらず、決して一般化できるわけではありませんが、Rさんに限っていうと、「起業」という行動は、他者との比較というよりも、どちらかというと、自己内発的動機により引き起こされるのではと考察しました。
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今回、ちょこっと出てきた「意識高い」というワード。
それについて潤pとASUKAが話した動画がこちらです。