ASUKAです。
BL読者歴7年のFさん(匿名・女子大生・20台前半)へのインタビューも今日が最終回!
今回知られざる”腐女子の思考“を紹介していきます。
■□■耽美でなくとも萌えは可能!■□■
美男子同士の愛の物語というイメージが強い(!?)BLですが、
なんとFさんは登場人物のビジュアルは重要ではないと語っています。
『おそ松さん』のキャラクターたち。Fさんをはじめ、多くの腐女子が彼らに萌えている
ASUKA(以下、A)「イケメン見たさにBLを読んでるっていう面はありますか?」
Fさん(以下、F)「そんなことはないですね。確かに、私も前は耽美な物を求めてました。でも、最近、その価値観がひっくり返ったんですよ!」
A「と、いうと?」
F「赤塚不二夫の『おそ松さん』って漫画があるんですけど、最近はその同人小説に萌えちゃったんです」
A「(『おそ松さん』のイラストを見ながら)これは良さが全くわかりません……」
F「最初は私も、『おそ松さん』に萌えてる人の気持ちが理解できなかった。でも、同人小説を読んだら、見事、沼にはまっちゃったんですよ! ほんと、BLは何が起こるかわからないです!」
淡々とインタビューに答えてくださっていたFさんですが、
この時ばかりは興奮した様子を見せていました。
”おそ松さん萌え”の発見は、Fさんにとっても衝撃的・感動的だったことがうかがえます。
■□■関係性のイマジネーション■□■
「『おそ松さん』に萌える」という発言に腰を抜かしたASUKAは、その件についてさらに突っ込むことに。
A「『テニスの王子様』の同人小説を読む際、読者はキャラクターのかっこよさ、美しさ、男性らしさに萌えるわけじゃないですか。でも、『おそ松さん』には、そのような魅力は一切ないですよね?」
F「ないっちゃないです(笑)」
A「それでも萌えるのはなぜですか?」
F「やっぱりキャラ同士の関係性ですよね。たとえば私は、格好付けだけど泣き虫キャラと、素直になれないツンデレキャラのカップリングに萌えてるんです」
A「はぁ……。『おそ松さん』の同人小説を読むとき、キャラクターは頭の中で耽美なイケメンに変換されるんですか?」
F「されないですね。何度も言いますけど、関係性が大切なのであって、顔は関係ないんです」
■□■関係性に萌えることができるのは女性だから■□■
男性にも二次創作のファンは多いですが、
彼らは女性とは異なり、二次創作に視覚的良さを求めているとFさんは分析しています。
F「男性に人気の二次創作は露出が激しかったり、胸が超大きかったり、プレイが激しかったりする漫画ものばっか。彼らは二次創作に視覚的な良さを求めてるんだろうね」
A「一方で、女性は?」
F「女性に人気なのは、綺麗な絵の漫画とか小説。このことからも、女性が男性とは違い、イラスト云々よりも、キャラの関係性を求めていることがわかると思う」
この話を聞いて思い出したのは、男性と女性の思考の差。性行為の際、男性は視覚や聴覚を通して興奮を覚えるに対し、女性は雰囲気に欲情するといいます。
現実世界同様、二次創作の文脈においても、男性は視覚的なもの、女性はそれ以外の点に魅力を感じているようです。
Fさんをはじめ、多くの腐女子が抱いている”関係性に萌える”という感情は、
女性であるがゆえに芽生えるのかもしれません。
■□■終わりに■□■
3回に渡ってお届けしてきたFさんインタビューもこれにて終了。
インタビューを通して見出すことができた最大の発見は、
FさんはBLを読むことで、2種類の喜びを得ているということです。
1つ目の喜びは、“BLそのものへの萌え”です。
FさんはBLを読むことで、登場人物同士の関係性に魅力を感じていると口にしていました。
2つ目の喜びは、“腐女子であることへの誇り”です。
インタビュー記事の中編で詳しく書きましたが、FさんはBLを読んでいることについて「ほかの人が知らない人生の楽しみ方を知ってる」と語っています。
ちなみに、ASUKAは2つ目の喜びには大いに共感するところがありました。
このブログ自体、「人とは違う自分でありたい」という願望を叶えるためにやっている点もありますからね。
一方、1つ目の喜びには共感しきれない面も……。
僕もBLを読んで“関係性萌え”を得られるようにがんばります(!?)
なにはともあれ、Fさん、ありがとうございました!